オーディンスフィア レイヴスラシル【PS4/PS3/PSvita】2DアクションRPGの金字塔!

ゲームレビュー

こんにちは、チモシー(@Timosy7)です。

今回はヴァニラウェアが手がける2Dアクションゲームの『OdinSphere Leifthrasir(オーディンスフィア レイヴスラシル)』を紹介していきます。

本作は直感操作で多彩なアクションが楽しめる作りとなっており、アクションが苦手な方でも楽しめる作りになっています。

ヴァニラウェアというと、最近では『十三機兵防衛圏』が有名ですね。

しかし本作と十三機兵防衛圏が開発会社であると知っている人は意外と少なく、自分も周囲のゲーマーに聞いた所、意外と周知されていませんでした。

中にはオーディンスフィアの名前も聞いたことがないと言うようなゲーマーもいたため少し驚きです。

それがきっかけで本作の良さをもっと知ってもらいたい!と思ったのが本作を紹介する理由です!

他にヴァニラウェア作品で言うと『朧村正』や『ドラゴンズクラウン』など、同じく2Dアクションに定評のあるものがありますね。

個人的に十三機兵防衛圏が個人的にTOP10に入るぐらい素晴らしいゲームだったので、そちらもそのうちレビュー書いてみたいと思ってます^ ^

オーディンスフィアは過去PS2で無印版が発売されており、そこからグラフィックの向上、処理落ちの軽減、果てはアクションをよりスタイリッシュに洗練したりなど数多くの進化を経て、2016年にリマスター版の「オーディンスフィアレイヴスラシル」がPS3 / PS4 / PSvitaにて発売されました。

プラットフォーム間でのクロスセーブも可能なため、ライフスタイルに応じた遊び分けもできます!

なお自分が今回プレイしたのはPS4版です。

難易度は最も優しいものでSWEETから最高難易度でEXPERTまでが用意されています。

試しにEXPERTを遊んでみましたが、あれを初見でやるにはシビアすぎますね…もはや別ゲーです。

普通にNORMALで遊ぶことをお勧めします^ ^

それでは『オーディンスフィア レイヴスラシル』の魅力を重大なネタバレなしでお伝えしていきます!

作品情報

無印

ソフト名:Odin Sphere

対応機種:PS2

販売:アトラス、セガ

開発:ヴァニラウェア、アトラス

発売日:2007年5月17日

ジャンル:RPG、アクション、ファンタジー、2Dアクション

CERO:A

Leifthrasir 版

ソフト名:Odin Sphere Leifthrasir

対応機種:PS3、PS4、PSvita

販売:アトラス、セガ

開発:ヴァニラウェア

発売日:2016年1月14日

ジャンル:RPG、アクション、ファンタジー、2Dアクション

CERO:B

あらすじ

その美しい大地には、数多くの人間や妖精、果てには死霊までもが住まう

亡国バレンタインの遺した結晶露を巡り、いまこの大地に戦火が覆わんとしている

~物語は小さな少女の手の上から始まる~

とあるお家の屋根裏で謎の少女アリスが一冊の本を手に取ることにより、そこに記された最初の主人公グウェンドリンの物語が始まります。

オーディンスフィアでは、グウェンドリンを初めとする5人の主人公の物語を本を通じて体験していくことになります。

体験する物語の主人公は順番にグウェンドリン、コルネリウス、メルセデス、オズワルド、ベルベットと、クリアするごとに次の本が選択できるようになっていきます。

実は自分がこのゲームを手に取ったきっかけは、直前に十三機兵防衛圏にどハマりしたからです笑

そちらは2Dアドベンチャーというジャンルでシナリオを最重視した作品だったのに対し、こちらは2DアクションRPGというジャンルを掲げており、2Dを専門に開発しているヴァニラウェアの強みが存分に生かされた作品だったように思います!

と言っても自分も十三機兵防衛圏とオーディンスフィアしかやったことないにわかですが

総プレイ時間は約30時間

一日で一主人公の物語を終わりまで遊ぼう!という感覚でプレイしていましたが、思いの外一人一人のエピソードがボリューミーでプレイ時間以上の満足感がありました 👍

絵本のような世界

このゲームの特色は一風変わった北欧ファンタジーな世界観とそれを彩るキャラクターです!

それも手書き長の絵本を読み進めているかのような、幻想的な絵柄がとても特徴的です。

世界観は北欧神話指輪物語を主軸に構成されており、物語の至る所にその兆候が見られます!

作中では「コルドロンの結晶炉」という、世界を破滅に導く兵器の運用に特殊な「指輪」が必要とされており、それを巡って争いが幾度も起こっているというのが主なオーディンスフィアの世界情勢です。

個人的にゲーム全体の世界観を表現する上で、最も印象的だった要素が濃厚で幅広い色彩です!

世界観を保つのなら、色彩を統一すれば良いというのが一般的な考えだと思うのですが、本作ではそれはもう多種多様な色が用いられています(色彩を絞ったゲームももちろんそれはそれでアリです)。

死の国や魔王の国など、聞くからにダークなイメージを抱くステージでも非常にカラフルに描かれているんです!

にも関わらずなぜか世界観は一貫してブレておらず、むしろ世界を壊さず広げているような感覚さえありました…!

ちなみに本作のキャラデザ担当はヴァニラウェア有限会社取締役社長の神谷盛治さん。

神谷さんは鮮やかな色使いと西洋のような繊細なタッチ、神話やファンタジーに影響を受けた世界観やキャラに定評のある方らしく、オーディンスフィアの求めるもの全てに合致しています。

個性豊かな5人のメインキャラクター

グウェンドリン

グウェンドリンは「魔王の国ラグナネイブル」の魔王であるオーダインの娘です。

最初に操作するキャラクターゆえに最も感情移入しやすいかもしれません。

グウェンドリンは、ワルキューレのまとめ役としての立場があり、戦場では敵味方問わず誰にも隙を見せない、まさに「魔王の娘」にふさわしい人物です。

でもそれはグウェンドリンのほんの一面にしかすぎず、実際には母親の肩身であるドレスを人目をしのんで着てみたり、父親にただ愛されたいという至って普通の感性も持っていました。

しかし、そんなありふれた願いすら彼女にはことごとく叶わず、しまいには割と理不尽な理由で勘当(的なことを)されてしまいます。

しかし、そんな中であったオズワルドという男に次第に心惹かれていき…

最初の方は、そういった可哀相な印象が強かったのですがゲーム終盤になると一気に主人公らしさを発揮するのが面白いかったです!

本作で2番目に成長を感じられたキャラですね。

自分は魔王オーダインがめっちゃ好きになりました^ ^

まず声が立木文彦さんで、このガタイの良さと威厳のある風貌であの声という組み合わせが悪魔的に様になってましたね…画像だと伝わりませんが、常にマントがひらひらしててめっちゃ王の中の王って感じ出てました 👍

ちなみに立木さんはエヴァの碇司令や、ワンピースの赤犬とかやってる人です。

コルネリウス

コルネリウスは、「人間の国タイタニア」の王太子です。

なので当然コルネリウスは人間なのですが、とある人物から呪いをかけられプーカという種族に姿を変えられてしまいます。(後に超しょうもない理由で呪われたことがわかります)

個人的にこのキャラは最も主人公っぽいキャラだったなぁ、という印象です。

大まかいうと、コルネリウスは愛する女性に正体を明かせず、国に帰っても呪いのせいで相手にもされない、しかしそんな状況でもなんとかめげずに聖剣を手に取り、人知れず愛する人のため戦い祖国を守るというシナリオでした。

…もう完全に主人公ですね笑

コルネリウスの目的はそれに加えて、人間に戻る方法を探して旅をするという定番のやつです。

そして目的がシンプルゆえに王道ファンタジー的な楽しさが色濃く感じられました。

メルセデス

メルセデスは「妖精の国リングフォールド」の王女で、次代の妖精女王です。

しかしシナリオ開始当初は年相応の普通の女の子で、女王となるには流石に頼りない、そんな印象でした。

しかし先ほどグウェンドリンが2番目に成長したキャラだと言いましたが、メルセデスこそが作中で最も成長したキャラだと言えます。

そんなひ弱な印象のメルセデスですが、一風変わった喋るカエルとの出逢いにより急速に王女として成長していきます。

このカエルとの掛け合いがメルセデス編の魅力の一つでもありましたね!

また、しゃべるカエルというインパクトがファンタジーを強調していたように思います。

やがて、メルセデスはおそらく作中のどのキャラよりも重要な役目を果たすのですが、それは是非自分でプレイして確かめてみてください…!

ちなみに見た目弱そうですが、実際の戦闘では一番簡単に敵を一掃できます。

唯一空を飛べる性質を持つ上に、長押しで遠距離攻撃を連射できるので正直せこいです笑

ちなみに上画像の爺さんですが、こちらも一見モブキャラながらかなり重要な役割を担っています!

オーディンスフィアには最初モブキャラだと思いきや、別のキャラ視点ではキーパーソンであったり、後々重要な役割を果たす、ということが多々あるのでストーリーを良く見ていると伏線が回収された時のようなハッとする感覚を味わえます!

オズワルド

オズワルドは妖精の国リングフォールドの重臣であるメルヴィンお抱えの剣士です。

オズワルドの持つサイファー(魔法の武器のこと)には非常に危険な闇の力が備わっており、この「魔剣」から力を得ることによって全身に闇を纏わせ、バーサーカーのように戦うキャラクターです。

見た目は黒く染まり、攻撃や移動の速度は尋常ではないほど上昇するので、一番厨二全開の戦闘を楽しめることと思います。

自分も使っててめっちゃ楽しかったです!制限時間付きの強化モードってめっちゃ好きなんですよね~

ちなみに「魔剣」はメルヴィンから渡されたもので、オズワルドは拾い育ててくれたメルヴィンに心酔しています。

オズワルドには目的というものがほとんどなく、メルヴィンの指示に従い続けるのが日常として描かれています。

しかし実際のところ、メルヴィンには黒い野望があり…オズワルドの唯一の心の拠り所が崩れていく、というのがオズワルド編の序盤の物語です。

ちなみにオズワルドはメルセデス編で少しだけ話しかけることができるのですが、話しかけてもロクに対応してくれません。

これはメルヴィン以外には心を開いていないことがよくわかる描写です。

それだけにオズワルドがグウェンドリンと出会ったのは本当に良かったなぁと心から思ってました^ ^

また、オズワルドにも他メインキャラと同様に出自で色々あるのですが、そこはがっつりネタバレを含むので割愛します、、

ベルベット

↑恋人にうっかりふざけたことを言ってしまうベルベット

ベルベットは「滅亡した大国バレンタイン」の元王女でした。

他のメインキャラは自国でのバックボーンや、育った経緯などが描かれており背景がわかりやすいですが、ベルベットは何もない森からのスタートでした。

色んなキャラの物語で登場する割にあまり多くを語られないため、謎多きキャラクターです。

本来バックボーンになるはずの国が既に滅亡してしまっているのも、大きな要因でしょう。

この滅亡の原因ですが、かつてのバレンタインはコルドロンの結晶炉という禁忌の力に手を触れてしまったが故に破滅しました。その過ちから学び、生き残ったベルベットは世界の崩壊を防ぐため炉の起動を阻止する、というのが主目的です。

なんだかこうしてまとめるとベルベットは物凄く壮大な使命抱えてますよね笑

それから、スクショでもう解ってるかもしれませんがコルネリウスの愛する女性とはベルベットのことです^ ^

なかなか正体を明かさないコルセリウスをみるとなんだかむずむずしましたね笑

ベルベットは沢城みゆきさんが声を担当しているキャラで、個人的に一番好きな声優さんだったのでプレイする前からきになっていました!

実際ベルベットがオーディンスフィアで一番好きなキャラになったのですが、その理由は他にも2つあります。

それは戦闘スタイルがめっちゃ好きだったから、加えてストイックに目的を果たす性格のかっこよさに惹かれたからです!

とにかくスピーディに敵を処理するオズワルドとはまた違い、ベルベットは踊り子のように舞いながら炎の鎖で敵を殲滅していくというスタイリッシュな爽快感があります。

何度見ても飽きないような戦闘モーションが癖になってしまい、気づけばクリア後もベルベットのレベル上げとかしてました笑

性格は好みの問題ですが、自分は可愛いキャラよりかっこいいキャラの方が好きです。(聞いてない)

簡単操作で、超多彩なアクション

本作には5人のメインキャラそれぞれに固有の武器種が設けられています。

  • グウェンドリン:氷槍
  • コルネリウス:雷剣
  • メルセデス;魔弓
  • オズワルド;魔剣
  • ベルベット;炎鎖

またオーディンスフィアは2Dアクションゲームにしては非常に多くのアクションスキルがあり、次々に新しいスキルを使っていく楽しさが売りです。

5人全員別の武器種ですから、当然スキルパネルも5種類用意されており、純粋に使えるスキル種が通常のアクションゲームの5倍くらいになってるんだから凄いボリュームですよね…

コンボ入力などの要素はあまり色濃くなくて、スキルはボタン登録で気軽に発動できます。

しかもスキル一つ一つに高クオリティのモーションが用意されているので、しっかり全スキル集めたい!というモチベーションを最後まで維持できました!

スキルを使う際は「powゲージ」と「フォゾン」のどちらかを消費します。

powゲージは時間経過で勝手に回復するのでスタミナのことで、フォゾンは主に敵を倒して時に回収できるMPのようなものです。

なのでpowゲージ消費型は利便性、フォゾン消費型のスキルは一発が強力なものという違いがあります。

自分はやはりベルベットの炎鎖が一番使いやすくて好きでした!

↑回転踊りしながら敵を薙ぎ倒す炎鎖スキル「アラウンドフレア」

単体にも集団にもバランス良く強いんですよね~

他にも敵を手軽にめまい状態にできる雷剣スキル「 スパークボルト」や、前方方向への殲滅力が最強であるオズワルドの魔剣スキル「イービルラッシュ」など、楽しいスキル盛りだくさんです!

物語を超えて回収される伏線

オーディンスフィアは物語が5つあることをうまく利用して、「あの時のあのキャラの反応は、そういうことだったのか」と納得するシーンが多くみられます。

例えば先ほど、グウェンドリンは父に愛されたいが、あまり構ってもらえないというあらすじを書きましたが、その原因の一端が他のキャラ編で明かされていく、といった流れがありました。

なので、最初は理解できないことばかりかもしれませんが、心配はそれほどしなくて大丈夫です。

むしろ後になればなるほど謎が明かされて面白くなっていくでしょう!

余談ですが、この特性は十三機兵防衛圏にも脈々と受け継がれていると感じました^ ^

北欧 x ファンタジーな音楽

ファンタジーな音楽というと結構イメージしやすいかもしれませんが、北欧っぽい音楽と言ってもなかなか伝わりづらいですよね…笑

他にありそうでなかなかないんですよね、こういう曲って。

少し印象が近い曲で言うと「グリムノーツ」と言うゲームで流れる「忘れじの言の葉」と言う曲も、感傷に浸れるという共通点があると感じました。

こういう御伽噺が始まる時に流れてそうな曲の感じ、たまらなく好きなんです!(語彙力)

一度メインテーマを聞いてもらえれば、言わんとしてることが伝わると思うので是非聞いてみてください!

オーディンスフィア レイヴスラシル メインテーマ

視覚的に面白くて、さらに快適なUI

オーディンスフィアのユーザーインターフェース(UI)はとてもユニークなものが多く、しかも使いやすい仕様でかなりストレスフリーに遊ぶことができました!

しかしゲームを始めた当初は、なかなか慣れることができずにボタンを押し間違えたりなどはしたので、最初の方しかプレイしていないと賛否は分かれるかもしれません。

UIひとつひとつがしっかりと北欧の世界観を壊さないようにデザインされているのは、細かくて純粋にクオリティが高いと言う印象を受けました。

UIの中でも特に面白かったのが、アイテム選択画面を丸型にしているところです。

最初は「これ使いづらくね?」と思ったりもしたんですが、ずっと使ってると次第に、「見やすく、オシャレで、何が何個あるか確認しやすい!」ということに気づきました。

個人的にここが惜しかった

少し気になった点があるとすれば、2人目以降の主人公シナリオで序盤が作業ゲーっぽくなっていたところです。

序盤のストーリーは当たり障りない話ばかりで、敵キャラも他の主人公シナリオで出てきた使い回しが多かった点がやや退屈かもしれませんね。

主人公によって敵の攻撃パターンや種類がやや異なる、といった相違点があればそういう懸念も減ると感じました!

とはいえ強いて言っただけで、それほどの不満ではないです 👍

一番良かった点

一番良い点は、キャラクターの顔色の緻密な変化とフルボイスにより、デフォルメされているのにキャラクターに吹き込まれた命を感じることができることです。

これは自分にとって、ヴァニラウェアのゲームの一番好きなところです。

2D表現だけでどれだけプレイヤーに感動を与えられるか」というように何かに特化させようという姿勢こそ、このゲームがうまくいった理由だと自分は思っています。

↑一定時間放置してたらたまに見られるオズワルドのかっこいいモーション

十三機兵防衛圏のどこかのインタビューでのことですが、キャラ一人一人の待機モーションや、見ようと思わなければ見れないような超細かな部分のモーションまで、全て手書きで動きを書いてプログラムしているとのことです。

凄い情熱ですよね…

まとめ

クリアまでは総プレイ時間30時間の内の25時間で、残り5時間はずっとベルベットのレベル上げをしたり、食べてない料理を埋めたりして遊んでました。

料理とは、各地で食材を集めて出張料理人のモーリィに料理をしてもらえる要素で、まとまった経験値を得ることができるので結構重宝します。

↑死の国まで来てくれる出張料理人モーリィ

当然トロコンしました!( ✌︎’ω’)✌︎

トロフィー条件の最後のボスラッシュだけめっちゃ長くて、1時間ぐらいぶっ通しで戦い続けたので大変でしたが、その分達成感はありましたね、、、👍

この作品をきっかけに、ヴァニラウェアの新作はとにかく買おうかな…という思考に傾いております^ ^

ちなみにリマスター版のタイトルにある「Leifthrasir」は古代ノルド語で「生命を受け継ぐもの」だそうです。

その言葉の真意は是非ご自身でプレイして確かめてみてください!!

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました♪